「知らなかった…」を防ぐために
—薬とサプリの“意外な関係”を見える化するナチュラルメディシン・データベース—
毎日飲んでいる薬、健康のために始めたサプリ。
その組み合わせ、本当に大丈夫ですか?
こんにちは、ナチュラルメディシン・アジアの宇野です。今回は、ナチュラルメディシン・データベース(NMDB)を使って行われた調査研究をご紹介しながら、サプリや食品とお薬の“飲み合わせ”に潜む意外なリスク、そしてそれを解決するための私たちの取り組みをお話しします。
サプリや食品と薬が「ぶつかる」?
「自然のものだから安心」「テレビで体に良いって言ってたから」——
そんな思い込みから、実は薬とサプリや食品が“ケンカ”してしまうケースがあります。
実際、2020年に横浜市の薬局で行われたある調査では、ナチュラルメデイシン・データベース(NMDB)を活用して、来局者125人の服用状況を確認したところ、10人(8%)に「特に注意が必要な相互作用」が見つかりました(※参考文献) 。
例えば:
- グレープフルーツ:一部の血圧やコレステロールの薬の効き方を変えてしまう
- しょうが:血液をサラサラにする薬と併用すると、出血リスクが上がる
- ココア、リンゴジュース、ワイン:意外な飲み物も相互作用の原因に
つまり、「健康のため」に飲んでいたものが、薬の効きすぎや効かなさの原因になっていたというケースが実際に確認されました。
実は多くの人が「気づいていない」
この調査では、**サプリメントを服用していた人は全体の48.3%**にのぼり、
「薬との相互作用を確認したい」と答えた人は65.3%いました。
一方で、「相互作用を知らなかった」と回答した人も4人に1人いました。
知らずに続けていたら、大きな健康リスクにつながっていたかもしれません。
そんな「見えにくい問題」が、今まさに身近なところにあります。
ナチュラルメディシン・データベース(NMDB)って、そもそも何?
ナチュラルメディシン・データベース(NMDB)は、健康食品やサプリメントと薬の関係を、
科学的根拠に基づいて「わかりやすく示す」オンラインのデータベースを目指しています!
- 世界中の研究論文をもとに、有効性・安全性・相互作用を整理
- 成分名・商品名・食品名でも検索できるインターフェース
今回ご紹介した調査では、ナチュラルメディシン・データベース(NMDB)の活用によって薬剤師が患者さんに適切なアドバイスを行うことができました。私たちはこのナチュラルメディシン・データベース(NMDB)を、誰もが自由に調べ、納得して選べる情報基盤として整備・拡張していきたいと考えています。
「知っていれば、防げた」をなくすために
薬とサプリ、薬と食品。
その“ちょっとした飲み合わせ”が健康に影響することがあります。
でも、正しい情報を知っていれば、防げることもたくさんあります!
ナチュラルメディシン・データベース(NMDB)は、
そんな「知らなかった…」を減らすための仕組みです。
この仕組みを一人でも多くの方に届けるため、私たちはクラウドファンディングに挑戦しています。
「自分や大切な人を守る」ために、NMDBを広める活動にぜひ力をお貸しください。
※参考文献:
鈴木 伸悟, 藤田 勝久, 神田 卓哉, 勝俣 水稀, 廣澤 伊織, 渡部 一宏
「保険薬局における健康食品・サプリメントと医薬品の相互作用に関するナチュラルメディシン・データベースを用いた実態調査」『薬局薬学』第13巻第2号、2021年、pp.138-147.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakkyoku/13/2/13_nt.2020-0026/_article/-char/ja