- 「この美味しさをもっと多くの人に届けたい」という想いから本土最南端へ移住し就農
- 糖度18度以上の特別な甘さを持つパインアップルと樹上完熟で栄養と甘みが生き渡ったパッションフルーツ
- 日本一の生産量、観光農園の整備、加工品開発を通じて「南国フルーツをもっと身近に」
鹿児島県南大隅町とは
南大隅町は、南国フルーツの一大産地を目指しています。
本土最南端に位置し、温暖な気候に恵まれた自然豊かな町で、パインアップルをはじめ、パッションフルーツ、マンゴー、ライチなどの栽培が盛んに行われています。
南大隅町で収穫される南国フルーツは、海外や離島に比べて輸送時間を大幅に短縮できるため、完熟に近い状態で収穫したものを全国へ届けることができます。
また、昼夜の寒暖差がほどよくあり、甘みがさらに凝縮。
海に近い風通しの良い環境とミネラル豊富な土壌が、美味しさを一層引き立てています。
事業者紹介
大隅フルーツの秋山代表は、南大隅町産のパインアップルの美味しさに感動したことがきっかけで、東京から家族5人で移住しました。
もともとパインアップルの酸味や、口の中に残るざらついた食感があまり得意ではなかった秋山代表。
ある日、偶然口にした南大隅町産のパインアップルの甘さと風味に驚き、「今まで食べたパインアップルと全然違う！甘くておいしい！」 と感動したといいます。
「この美味しさをもっと多くの人に届けたい」、「南国フルーツを、もっと身近で気軽に楽しめるものにしたい」、そのような想いから、ホテルマンとして東京で15年間働いてきた経歴に区切りをつけて移住。約1年半にわたり、地域おこし協力隊*として営農指導員の方々から栽培技術を学びました。
現在は、パインアップルとパッションフルーツの生産に取り組んでいます。
*地域おこし協力隊とは、人口減少や高齢化などの課題を抱える地域が都市部から人材を受け入れ、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る総務省の取組です。
大隅フルーツが育てる国産パインアップル
国産パインアップルの魅力
国産のパインアップルは非常に希少です。
日本で流通しているパインアップルは、フィリピンや台湾など海外からの輸入品がほとんどで、国内自給率はわずか約5％*です。
*参考：農林水産省2021年作況調査（果樹）、農林水産省2021年農林水産物品目別実績（輸入）
輸入されるパインアップルの多くは、完熟前に収穫・出荷されるため、十分な甘みが引き出されていないといいます。そのため大隅フルーツは、完熟に近いタイミングで収穫し、最高の状態で全国へ届けることに最大の価値があると考えています。
2品種のパインアップルを栽培
大隅フルーツでは、「ハワイ種」と「ボゴール」の2種類のパインアップルをハウスで栽培しています。
ハワイ種は果肉がしっかりしており、加工にも適した品種です。
将来的には、この特性を生かして、身近なスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも手に取れるような商品の開発を目指しています。
当時、秋山代表が感動したパインアップルは、このボゴールという品種でした。
ボゴールは、スナックパインとも呼ばれ、通常のパインアップルより一回り小さく、芯までやわらかいため、ひと房ずつ手でちぎって食べられるのが特徴です。甘みが強く、みずみずしい果汁が口いっぱいに広がり、子どもから大人まで親しまれています。
大隅フルーツが目指すパインアップル
大隅フルーツでは、安定した品質と甘みを追求するため、水はけを良くし、根が健やかに育つように「盛り土（畝）」を施すなど、一つ一つの工程に丁寧な手間をかけて、糖度18度以上の甘いパインアップルの収穫を目指しています。
一般的に糖度15度以上でも十分に甘いとされていますが、糖度18度以上のパインアップルは市場でもめったに出会えない特別な甘さです。
パインアップルは収穫までに約2年を要するため、2026年夏に初の収穫を予定しています。
南大隅町全体で生産者をサポート
現在、南大隅町では町やJA、そして生産者が一体となって、「南国フルーツの産地づくり」を進め、約10戸の農家がパインアップルの生産に取り組んでいます。
2025年7月には、今年度のパインアップルの生育状況の発表と出荷前の決起集会を開催。生産者やJA関係者が集まり、生育状況の確認、糖度測定や試食を行うなど、美味しさの追求に地域全体で取り組んでいます。
大隅フルーツは、南大隅町が目指す「南国フルーツの産地づくり」の一端を担う存在として、地域とともに歩みを進めています。
大隅フルーツが育てるパッションフルーツ
パッションフルーツは、甘酸っぱいゼリー状の果肉とプチプチとした食感の種をスプーンですくって味わう南国の果物です。
大隅フルーツでは2025年夏に初の収穫を迎え、約10万個を収穫し、南大隅町内でも最大規模の収穫量を記録しました。パッションフルーツを味わった方々からは、「甘味と酸味のバランスが絶妙で美味しかった！」「プチプチとした食感がたまらない」といった嬉しいお声をいただきました。
大隅フルーツでは、2つのこだわりを持ってパッションフルーツを栽培しています。
1つ目は、熟して自然に落ちる前に、丁寧に支えて最後まで樹の上で完熟させる「樹上完熟」。
2つ目は、高さ横幅ともに、広いスペースを取り、のびのびと育てることです。ゆったりとした環境で育てることで、果実一つ一つにしっかりと栄養と甘みが行き渡ります。
このような栽培方法から、甘み・酸味のバランスがとれた最高のパッションフルーツを生産しています。
規格外品を活用！購入型クラウドファンディングに挑戦しました
パッションフルーツの魅力を多くの方に届けたい、形や大きさの違いで出荷できない「規格外品」も無駄にしたくない。そのような想いから、購入型クラウドファンディングにも挑戦しました。
結果、目標金額に対して、120%を超える応援が集まり、全国へパッションフルーツを届ける第一歩を踏み出しました。
現在は、パッションフルーツを使ったドリンクやシロップなどの加工品開発、商標登録にも取り組み、南大隅発のブランドづくりを進めています。
パッションフルーツを使ったシロップはヨーグルトやアイスクリームと相性抜群です。
今後の展望
5年間で作付面積を現在の30アールから10倍の300アールに拡大する計画です。
日照・気温条件が整っていれば、生産が容易で規模を拡大しやすいパインアップルを主軸に農地拡大を進めます。
農地は、引退された地元農家の方々から土地を引き継ぐ形で進めており、2025年は16アールの土地を新たに取得しました。
2026年は、観光農園の整備を進め、収穫体験や試食、パッションフルーツを使った紅茶の提供など、南大隅町を訪れるきっかけを作りたいと考えています。
本ファンドでご出資いただいた資金は、土地の整備やハウス栽培に必要な資材の購入に使用させていただきます。
事業者からのメッセージ
東京で暮らしていた頃、国産のパインアップルやパッションフルーツを目にする機会はほとんどなく、「こんなに美味しい南国フルーツが、もっと身近で手に入ったらいいのに」と感じていた気持ちが、私の原点です。
だからこそ、本土最南端に位置する南大隅町という恵まれた環境を活かし、採れたての南国フルーツを全国へ届けたいと考えています。
パインアップルおよびパッションフルーツには、ビタミンCや食物繊維など、疲労回復を助ける栄養素が豊富に含まれています。
毎日を頑張る方、忙しい日々の中でなかなか休む時間が取れない方に、ひと口で笑顔になってもらえるような「南国フルーツ」を届けたい。そして、南国フルーツが皆様の暮らしの中で身近な存在になってほしい。
そのような想いで、収穫から発送まで一つ一つ丁寧に取り組んでいます。
今後は、日本一の生産量を目指し、地域に根ざした農業を通じて、果樹を安定的に届けられるよう努めてまいります。
「人に喜んでもらうこと」が何より好きだったホテルマン時代。
その想いを今は“農業”という形に変え、「南国フルーツをもっと身近に」という願いを胸に、これからも挑戦を続けていきます。これからの大隅フルーツの歩みを応援していただけますと幸いです。
株式会社大隅フルーツ
代表取締役 秋山大樹
