泡盛倉庫のご紹介~その4~泡盛のアルコール度数の幅について2~
泡盛のアルコール度数の幅
みなさんこんばんは、今夜は前回の投稿の後半です。
何故、泡盛は蒸留技術によって高めた貴重なアルコール度数を下げたのでしょうか?
(※世界中の蒸留酒(ウィスキー、テキーラ、ジン、ラム等)は低度数が存在しませんね。)
実は泡盛に限ってお伝えしますと、泡盛がお水などで薄めて飲むのが主流になったのは70年前の戦後からです。
600年前から育まれた泡盛文化の中で、530年は世界中の蒸留酒と同じく高めた度数をより長く熟成させ、価値を高めたお米の蒸留酒だったのです。
100年古酒は当たりまえ、200年古酒もあったといわれる豊かな泡盛文化。
それが70年前の沖縄戦で古酒も、飲み方も破壊されてしまいます。
戦後まもなくして、もう一度泡盛文化を取り戻そうと蔵人たちは泡盛を作り始めますが、原料も、大切な麹菌たちも、お酒つくりの環境もままならない中、よい酒質は簡単に取り戻せません。。
そして、何より、古酒を育てるということは在庫業であり、資本がなければどうしようもありません。
今日を生きるために泡盛を作り、新酒を飲んでもらうしかない。
そして飲み手も【ゆとり】のない戦後の沖縄で、文化ある飲み方、古酒を楽しむ。なんでことは到底考えることもできません。
時代に合った新しい飲み方が生まれます。
それが、癖のある新酒を『水割り』にする方法だったんですね。
厳しいことを言えば、泡盛の水割りは妥協から始まったのではないかと私は考えます。
※もちろん今日の泡盛業界では水割りにして美味しく楽しめる新酒の泡盛が蔵人たちの日々の情熱によって作り上げられています。
(※焼酎の水割、低度数の理由は泡盛倉庫で)
水割りするのであれば、あえて高い度数で販売する必要もありません。
価格も下げることができて、酒税も安い低度数の泡盛が流通していきます。
こうして、泡盛の新酒、低度数のスタイルが確立したのでしょう。
ここで、誤解のないようお伝えしますが、新酒、水割りがダメなわけではございません。
大事なことは泡盛が歩んだ600年の歴史の中で様々な選択肢が生まれてきたということです。
みなさんの日常に寄り添い、
今日はわいわい食中酒として、水割りで。。。
今日は大切な人とゆったりとした時を楽しむ食後酒として、ストレートで。。。
2回に分けてお送りしました泡盛の持つ<アルコール度数の幅の広さ>の理由・・・
それは、この土地の歴史によって生み出された幅であり、選択肢がある豊かな文化なのでしょう。
今宵はどんな飲み方で泡盛を楽しみますか?
続きは泡盛倉庫で。。。
泡盛倉庫
〈誇酒プロジェクト代表〉
比嘉康二
「廃業泡盛酒造の秘蔵酒復活ファンド(誇酒プロジェクト)」の応援よろしくお願いいたします。
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※写真は千代泉酒造所が実際に使用していたアルコール度数を計測する酒精計です。
