和の再発見
2018年3月29日
会津東山温泉 月のあかりファンド
和の再発見

客室のプロデュースは日本でも照明デザインではトップクラスの先生方によって出来ました。
照明コンセプトは「和の再発見」です。
到着してすぐ目に入る玄関でまず旅館の歴史を感じさせ
客室や温泉から贅沢な夜景そして自然を楽しめるようにしました。
客室の夢想庵は好みによっていろいろと調光が楽しめるようになっています。
また、庄助浪漫亭は和と洋に調和するように、
夢見亭は会津小紋の紋様をデザインした照明器具を設置しました。
湯川の流れを挟んで対岸に能舞台があります。
この名は能の大成者世阿弥が「風姿花伝」の中に記した「花は心、種は技」の言葉です。
演技の様々を身に着けることが「種」
体得した新しい芸をさらに工夫を加え観客を魅了し感動させることが「花」
常に新しい芸を工夫する演者の主体こそが何よりも大切である思想です。
ご来館して頂いたお客様の心に生涯忘れることの出来ない花を咲かせたい。
それが瀧の湯の「花は心」の気持ちなのです。
江戸時代の2代目藩主保科正容(ほしなまさかた)は能を好み、
大名能が盛んになり、明治に入ると一般民衆の手によって支えられてきました。
福島においては観世流が盛んですが会津だけは宝生流が大変普及し、
会津宝生流まで誕生させました。
毎年9月22日には鶴ヶ城本丸にて薪能を行っています。
野外能舞台「花心殿」は四季という演出の中で行われます。
竹林、能舞台、渓流、滝にはライトアップされ幻想的な雰囲気を醸し出しています。
四季の移ろい、時間の経過とともに変化する眺望を楽しんで頂くためです。
能舞台での映像は会津にまつわる歴史であり、
昔から言い伝えられた語りで当館が書き下ろしの作品が7作あります。
毎日昔語りや紙芝居とともに放映を織り交ぜながら開催しております。
また、能舞台をスクリーンにした
プロジェクションマッピング「会津絵巻~四季~」もライトアップの一環
で開催しております。
会津の歴史を伝えることも大事ですが、
瀧の湯の眺望の良さを時間や四季の移ろいを感じて頂き、
旅の思い出に季節感や時間によって変化する自然を肌で感じて頂きたいからです。
また、自然現象の美しさもまた堪能して頂きたいと思います。
たとえば、冬には雪が降りますが、
細雪、粉雪、牡丹雪、吹雪などすべて表情が違いますし、
ラウンジから見るこれらの雪は本当に素晴らしいものです。
この体験は旅の思い出にプラスして思い出の付加価値として記憶に残ると思います。
時間の経過とともに変化する眺望を楽しんで頂くためです。
自然はともすると手を入れないことが大事であると思いがちですが、
世界でも有名なビーチと言えばハワイのワイキキビーチです。
あのビーチは本来土の浜辺であったものを
人工的にきれいな砂を運んで作られたビーチなのです。
自然を活かすにはより磨きをかけるためや、
その美しさを維持するために人の手を掛けなければならないのです。
植林や伐採などや照明の効果的配置などの探求する行動が、
北米照明学会(Illuminating Engineering Society of North America、本部:ニューヨーク)主催の
「2014 IES Illumination Awards(北米照明学会照明賞)」の
「Award of Merit(グッドデザイン賞)」受賞に繋がったものと考えます。