エネルギーアクセス問題にクラウドファンディングを活用する
2018年2月11日
途上国未電化家庭用太陽光システムファンド
サポーターの方が 現在 233人で,目標額の 30%に達しました.スタート以降,ほぼ1日に10人の割合でサポーターの方々が増えています.どうもありがとうございます!人数もそうですが,平均2.5口を超えるということで,みなさんのご期待を強く感じています.
さて,きょうは,「エネルギーアクセス問題」すなわち電気やガスにアクセスできない人たちの問題への対処に,クラウドファンディングを活用することのレポート “Crowd Power, Success & Failure – The Key to a Winning Campaign” がリリースされましたので,その概要をかいつまんでご紹介いたしましょう (図表が英語ですみません).
いうまでもなく,セキュリテは,事業者にとって広く多くの人から資金調達を行うクラウドファンディングのプラットフォームです (クラウドとはcrowdであってcloudではありませんね).とくにプロジェクトへの投資という形を取り,従来からよくある商品購入型ではなく,また企業への投資でもありません.
その意味で,この「途上国未電化家庭用太陽光システムファンド」は,「家庭用ソーラーホームシステムを開発し,途上国貧困層へ電気を届ける」というエネルギーアクセス問題に切り込むプロジェクトの資金調達を,クラウドファンディングで行う一例となっています.
類似した事例は,世界でどのようになっているのでしょうか?
クラウドファンディングでは,それを行う「場」を提供する「プラットフォーム」(たとえば セキュリテ です) と,個々の「キャンペーン」(たとえば 途上国未電化家庭用太陽光システムファンド です) という2つの概念を理解する必要があります.資金調達を行う主体をキャンペーン・メーカー,資金調達を実施することを,キャンペーン・エグゼキューションと呼びます.
クラウドファンディングの主要なモデルは,以下のようなものです:

Donationは寄付型,Rewardは何らかの報奨がなされるもの (商品型),Debtはローン型,Equityは株式投資型 ですね.セキュリテの方式は,ぴたりと合うものはありませんが,プロジェクトへの投資という点や,ファイナンス規模の点でEquity型として分類されているものにもっとも近いと思います.
このうち,実際に「エネルギーアクセス問題に関するキャンペーン」に用いられたプラットフォームは以下の通りです (2016年):

大きなもののほとんどがローン型ですね.ローンは途上国におけるプロジェクト (KIVAの場合で個々のキャンペーンはかなり小さい.ちなみにわたし個人も融資しています) や,途上国の中小企業に対するもの (それなりの規模のキャンペーンですね) に分かれます.ただこの表には,Equity型は含まれていないようです.ちなみに PEAR のキャンペーンは,2,000万円 (18万ドル) です.
レポートでは,これらの4つの「型」別に,失敗例を含めていろいろ分析を行っていますが,ここではわれわれのキャンペーンを念頭に置いて,Equity型をみてみましょう.この型におけるキャンペーンは,以下のようなものだそうです:

すべてファンドレイジングに成功したとのことですが,まだまだ散発的で,萌芽期ということでしょうね.これらのキャンペーンの資金調達が,いま,どのような成果をおさめているか?という調査も行われていました:

これらの投資対象となった5つの会社は,18.6%が価値が目減りしたものの,まだきちんと存続していて,2社は次のファンディングのラウンドに進んでいるという点で,興味深いと言うことでした.
ただ,まだこの結果からいろいろ結論を出すには,事例が少なく,時期尚早のようですが,期待できそうな感じも受けます.
われわれのこのクラウドファンディングが,このエネルギーアクセス問題の ひとつの good practice として,積み上がっていけるようにがんばりますので,みなさんも応援をよろしくお願いします.
松尾 直樹
さて,きょうは,「エネルギーアクセス問題」すなわち電気やガスにアクセスできない人たちの問題への対処に,クラウドファンディングを活用することのレポート “Crowd Power, Success & Failure – The Key to a Winning Campaign” がリリースされましたので,その概要をかいつまんでご紹介いたしましょう (図表が英語ですみません).
いうまでもなく,セキュリテは,事業者にとって広く多くの人から資金調達を行うクラウドファンディングのプラットフォームです (クラウドとはcrowdであってcloudではありませんね).とくにプロジェクトへの投資という形を取り,従来からよくある商品購入型ではなく,また企業への投資でもありません.
その意味で,この「途上国未電化家庭用太陽光システムファンド」は,「家庭用ソーラーホームシステムを開発し,途上国貧困層へ電気を届ける」というエネルギーアクセス問題に切り込むプロジェクトの資金調達を,クラウドファンディングで行う一例となっています.
類似した事例は,世界でどのようになっているのでしょうか?
クラウドファンディングでは,それを行う「場」を提供する「プラットフォーム」(たとえば セキュリテ です) と,個々の「キャンペーン」(たとえば 途上国未電化家庭用太陽光システムファンド です) という2つの概念を理解する必要があります.資金調達を行う主体をキャンペーン・メーカー,資金調達を実施することを,キャンペーン・エグゼキューションと呼びます.
クラウドファンディングの主要なモデルは,以下のようなものです:

Donationは寄付型,Rewardは何らかの報奨がなされるもの (商品型),Debtはローン型,Equityは株式投資型 ですね.セキュリテの方式は,ぴたりと合うものはありませんが,プロジェクトへの投資という点や,ファイナンス規模の点でEquity型として分類されているものにもっとも近いと思います.
このうち,実際に「エネルギーアクセス問題に関するキャンペーン」に用いられたプラットフォームは以下の通りです (2016年):

大きなもののほとんどがローン型ですね.ローンは途上国におけるプロジェクト (KIVAの場合で個々のキャンペーンはかなり小さい.ちなみにわたし個人も融資しています) や,途上国の中小企業に対するもの (それなりの規模のキャンペーンですね) に分かれます.ただこの表には,Equity型は含まれていないようです.ちなみに PEAR のキャンペーンは,2,000万円 (18万ドル) です.
レポートでは,これらの4つの「型」別に,失敗例を含めていろいろ分析を行っていますが,ここではわれわれのキャンペーンを念頭に置いて,Equity型をみてみましょう.この型におけるキャンペーンは,以下のようなものだそうです:

すべてファンドレイジングに成功したとのことですが,まだまだ散発的で,萌芽期ということでしょうね.これらのキャンペーンの資金調達が,いま,どのような成果をおさめているか?という調査も行われていました:

これらの投資対象となった5つの会社は,18.6%が価値が目減りしたものの,まだきちんと存続していて,2社は次のファンディングのラウンドに進んでいるという点で,興味深いと言うことでした.
ただ,まだこの結果からいろいろ結論を出すには,事例が少なく,時期尚早のようですが,期待できそうな感じも受けます.
われわれのこのクラウドファンディングが,このエネルギーアクセス問題の ひとつの good practice として,積み上がっていけるようにがんばりますので,みなさんも応援をよろしくお願いします.
松尾 直樹