一杯のコーヒーから世界は変わる ~産地訪問を振り返る
2025年10月24日
生産者と描く「夢のつづき」コーヒー豆ファンド

2025年の年明け、私はペルー・サンマルティン州、アルトマヨの森を訪れました。
熱帯林に暮らす人々は、森林破壊と隣り合わせの現実の中で、「森を守るコーヒーづくり」に挑んでいました。それは、アグロフォレストリーと呼ばれ、環境にも人にもやさしいコーヒーづくりです。その森で育まれたコーヒーが、今年4月、日本に初上陸。
それがアルトマヨの森のコーヒーです。
「おいしいコーヒーを飲みたい」
それは私たちの日常にある、ごく自然な欲求です。けれど今、その当たり前の一杯が、遠く離れた森の未来とつながり、脅かされていることを、ご存知でしょうか。
近年、コーヒーの価格がかつてないほど高騰しています。その背景には、気候変動による異常気象があります。例えばブラジルでは、霜害や干ばつによりコーヒーの生産量が大きく落ち込みました。その影響は世界中に及び、生豆の価格は、わたしがかつて経験したことのないほどに高騰し、販売価格にも反映せざるを得ない状況が続いています。
これまで、私たち株式会社豆乃木は「環境保全」や「人道支援」といった言葉だけに頼ってコーヒーを伝えることはしてきませんでした。「フェアトレードだから買ってください」――そんなふうに訴えたいわけではないのです。
でも、こんな時代だからこそ、私たちは「どんなコーヒーを選ぶのか」が、これまで以上に問われているような気がしています。その問いに対するひとつの答えが、アルトマヨの森のコーヒーだと、私は信じています。
この一杯が、飲む人の満足と、つくる人の未来、そして地球の環境をつなぐ、大切な「選択」になればと願っています。