泡盛倉庫のご紹介~その4~泡盛のアルコール度数の幅について~
みなさんこんばんは!
今宵はどんなお酒を飲まれますか?
今日は前回話題に出しました【何故泡盛のアルコール度数はこんなにも幅があるのでしょう?】
について歴史と、持論も踏まえてお話させてください。
※長くなりますので文章は今日と次回の2部構成でお届けします。
ここでひとまず、世界中のお酒のアルコール度数の幅をおさらいしてみましょう。
〇日本酒(醸造酒)
※酒税法では1度以上22度未満
基本的に流通している日本酒は15度前後が主流。
〇ワイン(醸造酒)
※日本には明確にワインの法律はないのですが、酒税法に
基本的に14度前後
〇ウィスキー(蒸留酒)
※世界で基準が若干異なるものの、40度以上が主流
※ニューポッドと呼ばれる原酒は65度~70度あります。
〇テキーラ(蒸留酒)
※35度から50度の幅があります。
〇焼酎(泡盛を除く)(蒸留酒)
※酒税法に照らし合わせると1度以上45度以下、ほとんどが20度~25度
※少量だが最近では泡盛のように、40度以上の熟成させた古酒もあり
〇泡盛(蒸留酒)
※酒税法に照らし合わせると1度以上45度以下、主流は30度が基本だが20度~44度まで見受けられる。また、酒税法上、泡盛ではなくなるが、原酒や花酒(泡盛が蒸留される最初の数分間だけ抽出される高度数)といった呼び名で50度台、60度も流通している。
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ずらっと書いてみましたが、こう見比べてみてもやはり泡盛のもつアルコール度数の幅は大きいですね。
なぜ、これだけのアルコールの幅が生まれるのか。
その仕組みを想像するには【醸造酒】と【蒸留酒】についてお話しなけばいけません。
まず大前提で、全てのアルコールは酵母菌という微生物が原料(葡萄やお米等)の糖分を食べてアルコールを作ってくれます。これが醸造という世界で、ビール・日本酒・ワインなどがそれにあたります。
酒造所の杜氏さん、蔵人は酵母菌がしっかりアルコールをつくってくれるよう、居心地の良い環境を
作ってあげるのが役目なんですね。
居心地の良い環境で酵母菌は一生懸命アルコールを産み出します。
ただし、アルコール度数はある一定の度数より高くなることはありません。
実は自分たちの作ったアルコールで活動ができなくなってくるんですね。
わかりやすい身近な事で例えるならば、アルコールスプレーって殺菌消毒作用がありますね。
おおよそですが、18度~20度を境に酵母菌の環境は厳しくなります。
じゃあそれより高いアルコール度数はどうやって生まれるのか?
そこで、蒸留酒の登場です。
醸造によってできたアルコールをやかんに入れるイメージをしてください。
火にかけると、程なくして沸騰してきますね。
お水は約100度で沸騰しますが、
アルコールの沸点が78度ほど、
この差を利用して、先に気化するアルコールを集めて濃縮して度数を高めるのが蒸留のメカニズムです。
※さらにアルコールに含まれていた糖分は気化しませんので、蒸留酒は糖質ゼロなんですね。
蒸留酒と焼酎は同じ意味ですが、まさにお酒を焼いているんですね。
こうして、アルコール度数の幅は生まれてきます。
ざっくりですが、元のアルコール度数から3倍ほどのアルコールに濃縮することができますので、50度を超える蒸留酒が生まれるのです。
実は、焼酎も、泡盛も、ウィスキー、テキーラも原酒は蒸留した時点で40度を遥かに超えたアルコールが生まれているのです。
蒸留後、原酒を貯蔵そして、お水で割り20度~50度ほどの幅が生まれるのですね。
ここで革新に迫ってきます。
何故焼酎、泡盛は折角高くしたアルコール度数をしっかり加水したのでしょう??
これが、泡盛のもつアルコール度数の幅の答えにつながってきます。
続きは翌日に。。。
泡盛倉庫
比嘉康二
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※拙い長文にお付き合いくださり感謝です。