【第一話】ブルーベリー豆乳ヨーグルトアイスクリーム「SOYOGU」誕生まで
2025年7月23日
東海大学発 未来の健康を育む乳酸菌ファンド
【第一話】ブルーベリー豆乳ヨーグルトアイスクリーム「SOYOGU」誕生まで
当時、私はまだ大学生で、商品開発サークルの一員として学内で活動していました。
その頃の私たちの活動は、あくまで「学生の自主的な取り組み」という位置づけ。もちろん真剣にやってはいたものの、外部との関わりはほとんどなく、試作やアイデア出しは身内の中で完結していました。
しかし、今回は違いました。
農林水産省の「農山漁村振興交付金 農産漁村発イノベーション推進事業」という、国の予算で地域の農業・漁業資源を活かした商品開発を推進するプロジェクト。その一員として、熊本の5社と共に本気の商品開発に取り組むというものだったのです。
初めての“ビジネスの現場”へ
正直、最初は「学生が入って大丈夫なんだろうか」という不安しかありませんでした。
実際、最初の顔合わせの場には、熊本の食品メーカーの方々が並び、場の空気に完全に飲まれてしまったのを覚えています。
私は緊張のあまり、名刺の受け渡しすらぎこちなく、敬語もうまく使えず、
「もっと社会人としてのマナーを勉強しておけばよかった」と何度も思いました。
けれど、その場にいた企業の方々は、私たち学生にも真摯に耳を傾けてくださり、
「一緒にいいものを作ろう」と温かく迎えてくれました。
その優しさに救われ、逆に「中途半端な気持ちでは応えられない」と、自分の中に火がついた瞬間でもありました。
月1回の協議会と、長時間のプレゼン
こうして月に一度の協議会が始まりました。
初回は各社の紹介と事業の進め方の説明から。
自社(現在の株式会社プロバイオ)で扱っている「乳酸菌」や「豆乳ヨーグルト」の特徴について、プレゼンを行いました。
発表時間はたっぷり2時間。乳酸菌の生理作用から豆乳との相性、乳酸菌の発酵に適した温度や時間帯までこと細かく説明を行いました。

「味」をつくるということは、科学であり、感性だった
事業の中心テーマは「豆乳ヨーグルトを活用した新しいアイスクリームを開発すること」。
その中で私たちサークルは、「味づくり」の部分を担当することになりました。
そして決まったのが、「ブルーベリー豆乳ヨーグルトアイスクリーム」の開発。
豆乳ヨーグルトのやさしい酸味と、ブルーベリーの爽やかさを掛け合わせた、体にも嬉しいアイスクリーム。──
……そう簡単にいくはずがありません。
当初は「豆乳ヨーグルトとブルーベリーを混ぜればそれなりに美味しいのでは?」という安易な発想で始まりましたが、アイスづくりのプロに話を聞くと、すぐに考えの甘さに気づかされます。
「糖の種類だけでも味も硬さも全然違うよ」
「フルーツの水分量でシャーベットみたいになる」
「豆乳のクセをどう抑えるかが勝負」
アイスは、ただ冷やせばいいものではなく、科学と感性のバランスで成り立っているのだと、そこで初めて知りました。
試作、試作、そしてまた試作
そこから私たちは、まさに“実験の日々”に突入します。
ブドウ糖、オリゴ糖、てんさい糖、はちみつ、黒糖──
豆乳ヨーグルトに合う甘みは何か?
ブルーベリーの風味を損なわず、後味をすっきりさせるには?
甘さ、酸味、コク、香り、口どけ……それぞれのバランスを取るために、何十回もの試作を繰り返しました。
一つの試作をしては、メンバーで味見し、記録し、改良し、また作る。
ときには失敗で全く固まらなかったり、「美味しいけど量産できない」というジレンマにぶつかったり、思うように進まない日々もありました。
それでも「妥協しない」ことだけは決めていました。
自分たちが心から「これは美味しい」と言える味にたどり着くまで、絶対に完成させない──
その強い想いが、粘り強さにつながりました。
次回、「SOYOGU」に込めた想い
このようにして、少しずつ形になっていった「ブルーベリー豆乳ヨーグルトアイスクリーム “SOYOGU”」。
商品名「SOYOGU」には、私たちの“ある願い”が込められています。
次回の第二話では、
・どんな想いでこの名前をつけたのか
・開発から販売までのリアルな壁とドラマ
について、お話ししていきます。
どうぞ、引き続き応援よろしくお願いいたします。
当時、私はまだ大学生で、商品開発サークルの一員として学内で活動していました。
その頃の私たちの活動は、あくまで「学生の自主的な取り組み」という位置づけ。もちろん真剣にやってはいたものの、外部との関わりはほとんどなく、試作やアイデア出しは身内の中で完結していました。
しかし、今回は違いました。
農林水産省の「農山漁村振興交付金 農産漁村発イノベーション推進事業」という、国の予算で地域の農業・漁業資源を活かした商品開発を推進するプロジェクト。その一員として、熊本の5社と共に本気の商品開発に取り組むというものだったのです。
正直、最初は「学生が入って大丈夫なんだろうか」という不安しかありませんでした。
実際、最初の顔合わせの場には、熊本の食品メーカーの方々が並び、場の空気に完全に飲まれてしまったのを覚えています。
私は緊張のあまり、名刺の受け渡しすらぎこちなく、敬語もうまく使えず、
「もっと社会人としてのマナーを勉強しておけばよかった」と何度も思いました。
けれど、その場にいた企業の方々は、私たち学生にも真摯に耳を傾けてくださり、
「一緒にいいものを作ろう」と温かく迎えてくれました。
その優しさに救われ、逆に「中途半端な気持ちでは応えられない」と、自分の中に火がついた瞬間でもありました。
こうして月に一度の協議会が始まりました。
初回は各社の紹介と事業の進め方の説明から。
自社(現在の株式会社プロバイオ)で扱っている「乳酸菌」や「豆乳ヨーグルト」の特徴について、プレゼンを行いました。
発表時間はたっぷり2時間。乳酸菌の生理作用から豆乳との相性、乳酸菌の発酵に適した温度や時間帯までこと細かく説明を行いました。


事業の中心テーマは「豆乳ヨーグルトを活用した新しいアイスクリームを開発すること」。
その中で私たちサークルは、「味づくり」の部分を担当することになりました。
そして決まったのが、「ブルーベリー豆乳ヨーグルトアイスクリーム」の開発。
豆乳ヨーグルトのやさしい酸味と、ブルーベリーの爽やかさを掛け合わせた、体にも嬉しいアイスクリーム。──
……そう簡単にいくはずがありません。
当初は「豆乳ヨーグルトとブルーベリーを混ぜればそれなりに美味しいのでは?」という安易な発想で始まりましたが、アイスづくりのプロに話を聞くと、すぐに考えの甘さに気づかされます。
「糖の種類だけでも味も硬さも全然違うよ」
「フルーツの水分量でシャーベットみたいになる」
「豆乳のクセをどう抑えるかが勝負」
アイスは、ただ冷やせばいいものではなく、科学と感性のバランスで成り立っているのだと、そこで初めて知りました。

そこから私たちは、まさに“実験の日々”に突入します。
ブドウ糖、オリゴ糖、てんさい糖、はちみつ、黒糖──
豆乳ヨーグルトに合う甘みは何か?
ブルーベリーの風味を損なわず、後味をすっきりさせるには?
甘さ、酸味、コク、香り、口どけ……それぞれのバランスを取るために、何十回もの試作を繰り返しました。
一つの試作をしては、メンバーで味見し、記録し、改良し、また作る。
ときには失敗で全く固まらなかったり、「美味しいけど量産できない」というジレンマにぶつかったり、思うように進まない日々もありました。
それでも「妥協しない」ことだけは決めていました。
自分たちが心から「これは美味しい」と言える味にたどり着くまで、絶対に完成させない──
その強い想いが、粘り強さにつながりました。

このようにして、少しずつ形になっていった「ブルーベリー豆乳ヨーグルトアイスクリーム “SOYOGU”」。
商品名「SOYOGU」には、私たちの“ある願い”が込められています。
次回の第二話では、
・どんな想いでこの名前をつけたのか
・開発から販売までのリアルな壁とドラマ
について、お話ししていきます。
どうぞ、引き続き応援よろしくお願いいたします。