広く途上国の貧しい人々に普及・使ってもらうということ
2018年1月25日
途上国未電化家庭用太陽光システムファンド
この「未電化の人々に電気を届ける」というBOPビジネスのファンドが募集を始めてから,ちょうど一週間経ちました.
「人気」ファンドにランクされ,現時点で125人もの方々にサポートしてもらい,目標調達額の16%が集まってきているという状態です.出資いただくと決断された方,本当にありがとうございます!
先日,Global Off-Grid Solar Forum and Expo に参加してくるということをお話ししましたが,なんと,あの豪雪で,成田空港で 飛行機の中に10時間以上飲まず食わす (トイレも行かず) の状態で閉じ込められ(5時PM〜3時AM)結局 参加できませんでした... いままで65カ国程度訪問し,酸素マスクが降りてきたなどいろいろ経験しましたが,これは初めての経験でした.
そのとき,持って行って紹介する予定だった 現行の SHS EGAO の技術資料は,まだ最終デザインが完成していないため,投資家限定ニュースにて紹介したいと思います.
モデルの表だけお付けしますね:
このプロジェクトは,ビジネスを通じて,11–12億人も「残されている」電気にアクセスできない人々に電気を届けることで,それを用いて,彼らがより強く立ち上がる機会を提供したい (下の写真のような暗い照明下の生活を甘受せざるをえない状態をなんとかしたいということですね),という目的で始めました.不安定な電気の人々も対象としているので,その2倍程度の潜在ユーザーがいることになります.ということで,究極のゴールは1億人!と大風呂敷を広げています.
言い換えると,大きく展開してこそ,意味があるわけですし,それを実現化するためのビジネス戦略を考える必要があります.逆に,それができる (可能性がある) ところが,援助でなくビジネスというツールのよさでもあるわけです.
ある非常に優秀な途上国国際協力の専門家の方に,次のような質問を受けました:
これに対するわたしの返答は,以下の通りです:
われわれのビジネスの基本的考え方は,潜在ユーザーへの販売は,基本はディストリビューターに任せるということです.集金を行うのもそうです.われわれのビジネスは,ディストリビューターへの「卸販売」になります.そうでなければ,大きく展開することは難しいでしょう.(以前は ディストリビューターを絞る考えでしたが,いまは広く誰でも... という考え方です.ODMというむこうブランドでの販売も行います)
故障への対処は,製品保証(製品の交換)という形で対応いたしますが (実際はたとえば5% 注文より多く提供します),これは,対ディストリビューターです.
対ユーザーではありません.対ユーザーはディストリビューターが行います.
盗難への対処は,基本はユーザーの責任問題です.また,盗難された場合に,その保険サービスを設定するかどうかは,ディストリビューターの判断となります.
ただ,それらの懸念に,製品供給者として,なにかできるか?という点は別の問題です.
今回の製品に搭載する予定の PAYG (Pay-As-You-Go) 機能にはそこまで搭載しない想定ですが,次の製品には,遠隔でシステムの稼働状況などをチェックできる機能を搭載することも考えています (いま考えているのは,シンプルに「払った分だけ使える」ことを,ディストリビューターが操作できる機能を,技術的に搭載することです)
もちろん,故障が起きにくいような設計にはなっています.各種保護回路や,現地でエンジニアがいなくても設置ができるような設計ですね.
盗難に関しては,屋外灯(固定)のような使い方や,携帯灯も付属し (これはむしろモバイルバッテリーとしての機能が重視されそうですが),暗黒の状態よりはるかに盗難されにくくなるかと思います.
一方で,ディストリビューターを介さずに,われわれの現地エイジェンシー(代理店)が,直接 顧客に販売する場合もありうるでしょうが,それが PAYGサービス(ローンのようなサービスになります)を提供するかどうかは,代理店との議論に依存します.これは今後の 個別の代理店との議論の中で詰めていくことになりますね.
簡単に,いまのわたしの考え方を紹介しました.その他のビジネス上の工夫は,投資家向けニュースの中などで紹介していきたいと思っています.
最近,”Escaping Darkness—Understanding Consumer Value in PAYGo Solar” というレポートがリリースされました.興味深い内容ですので,またかいつまんで内容などをお知らせしたいと思います (ほかにもいっぱいレポートがありますので,それらもまたご紹介します).
特典でご提供するカーボンオフセット・サービスに関するご質問もいただいているようなので,この次の発信のときにでも,ご説明いたします.
Stay in touch with us!
松尾 直樹
「人気」ファンドにランクされ,現時点で125人もの方々にサポートしてもらい,目標調達額の16%が集まってきているという状態です.出資いただくと決断された方,本当にありがとうございます!
先日,Global Off-Grid Solar Forum and Expo に参加してくるということをお話ししましたが,なんと,あの豪雪で,成田空港で 飛行機の中に10時間以上飲まず食わす (トイレも行かず) の状態で閉じ込められ(5時PM〜3時AM)結局 参加できませんでした... いままで65カ国程度訪問し,酸素マスクが降りてきたなどいろいろ経験しましたが,これは初めての経験でした.
そのとき,持って行って紹介する予定だった 現行の SHS EGAO の技術資料は,まだ最終デザインが完成していないため,投資家限定ニュースにて紹介したいと思います.
モデルの表だけお付けしますね:

このプロジェクトは,ビジネスを通じて,11–12億人も「残されている」電気にアクセスできない人々に電気を届けることで,それを用いて,彼らがより強く立ち上がる機会を提供したい (下の写真のような暗い照明下の生活を甘受せざるをえない状態をなんとかしたいということですね),という目的で始めました.不安定な電気の人々も対象としているので,その2倍程度の潜在ユーザーがいることになります.ということで,究極のゴールは1億人!と大風呂敷を広げています.

言い換えると,大きく展開してこそ,意味があるわけですし,それを実現化するためのビジネス戦略を考える必要があります.逆に,それができる (可能性がある) ところが,援助でなくビジネスというツールのよさでもあるわけです.
ある非常に優秀な途上国国際協力の専門家の方に,次のような質問を受けました:
僕自身が計画をざっと見て考える一番のリスクは「盗難」や「故障」です。その場合の責任はどうなるのか、ですね。
特にパネルは日中常に外に出しておかれますし、ある地域に集中してパネルが置かれているとなると…どれくらい発生するかは別にして、数が増えれば増えるほど盗難のリスクは高くなり、事件はまず確実に発生するだろうと予想します。
その時に、盗まれたパネルの保証はどうなるのか、あるいは保険が掛けられて代替品が供給されるのか...
特にパネルは日中常に外に出しておかれますし、ある地域に集中してパネルが置かれているとなると…どれくらい発生するかは別にして、数が増えれば増えるほど盗難のリスクは高くなり、事件はまず確実に発生するだろうと予想します。
その時に、盗まれたパネルの保証はどうなるのか、あるいは保険が掛けられて代替品が供給されるのか...
これに対するわたしの返答は,以下の通りです:
われわれのビジネスの基本的考え方は,潜在ユーザーへの販売は,基本はディストリビューターに任せるということです.集金を行うのもそうです.われわれのビジネスは,ディストリビューターへの「卸販売」になります.そうでなければ,大きく展開することは難しいでしょう.(以前は ディストリビューターを絞る考えでしたが,いまは広く誰でも... という考え方です.ODMというむこうブランドでの販売も行います)
故障への対処は,製品保証(製品の交換)という形で対応いたしますが (実際はたとえば5% 注文より多く提供します),これは,対ディストリビューターです.
対ユーザーではありません.対ユーザーはディストリビューターが行います.
盗難への対処は,基本はユーザーの責任問題です.また,盗難された場合に,その保険サービスを設定するかどうかは,ディストリビューターの判断となります.
ただ,それらの懸念に,製品供給者として,なにかできるか?という点は別の問題です.
今回の製品に搭載する予定の PAYG (Pay-As-You-Go) 機能にはそこまで搭載しない想定ですが,次の製品には,遠隔でシステムの稼働状況などをチェックできる機能を搭載することも考えています (いま考えているのは,シンプルに「払った分だけ使える」ことを,ディストリビューターが操作できる機能を,技術的に搭載することです)
もちろん,故障が起きにくいような設計にはなっています.各種保護回路や,現地でエンジニアがいなくても設置ができるような設計ですね.
盗難に関しては,屋外灯(固定)のような使い方や,携帯灯も付属し (これはむしろモバイルバッテリーとしての機能が重視されそうですが),暗黒の状態よりはるかに盗難されにくくなるかと思います.
一方で,ディストリビューターを介さずに,われわれの現地エイジェンシー(代理店)が,直接 顧客に販売する場合もありうるでしょうが,それが PAYGサービス(ローンのようなサービスになります)を提供するかどうかは,代理店との議論に依存します.これは今後の 個別の代理店との議論の中で詰めていくことになりますね.
簡単に,いまのわたしの考え方を紹介しました.その他のビジネス上の工夫は,投資家向けニュースの中などで紹介していきたいと思っています.
最近,”Escaping Darkness—Understanding Consumer Value in PAYGo Solar” というレポートがリリースされました.興味深い内容ですので,またかいつまんで内容などをお知らせしたいと思います (ほかにもいっぱいレポートがありますので,それらもまたご紹介します).
特典でご提供するカーボンオフセット・サービスに関するご質問もいただいているようなので,この次の発信のときにでも,ご説明いたします.
Stay in touch with us!
松尾 直樹