なぜ北海道だけ?特異な飯寿司文化が・・・
今日は、何故北海道だけ特異な「いずし文化」が残ったのか?というお話をしたいと思います。
以前にこのブログで、「寿し」は純日本文化ではない・・・。というお話を書きました。
そして、今の一般的な「寿し」とは、いわゆる「江戸前寿司」のことを言い、その寿しの原型は魚を米などで発酵させて食べる「なれずし」だということもお伝えしました。
その「馴れずし」の、発展形が「飯寿司」と言われています。
その飯寿司が、今でも市民権を得て、人々の生活の中に息づいている唯一の地域が何を隠そう我が「北海道」なのです。
当社の顧問をお願いしております、我が国寿し研究の第一人者で日本食研究博士の日比野光敏先生も「北海道だけが、飯寿司という馴れずしの文化が根強く残っている特異な地域。その理由は謎なんです」と語っています。
私も、子供のころから冬になると普通に食卓に「いずし」が並んでいましたし、それが特殊な食べ物だと思ったことは全くありません。ただ、それが「美味しい」と思ったか?同課は疑問ですが・・・。
しかし、その飯寿司が今では、あまり食卓に並ばなくなりました。
それは特に、若い世代に顕著に表れています。若い人たちの「魚離れ」もあるでしょうが、飯寿司という発酵食品が「あれは年配者が食べるもの」というイメージが北海道でも一般的になりつつあることは、今後をとても心配する原因にもなっています。
前述の寿し博士の日比野先生も語っておられます。「日本全国の伝統的な馴れずしが衰退する中で、北海道だけはその食文化が健在の地域。その伝統は是非守って行って欲しい」と。
当社の生業は、「飯寿司」専業メーカーです。当社の会社存続をも脅かしかねない、この食文化の変化を微妙に感じるからこそ、真剣にこの伝統を守りたい!!と心から願うのです。
私の思いを一人でも多くの方に伝えて行きたい、そう願いながら今日も仕事にまい進します。