ウーマンエンパワーメント:フィールド調査日記 番外編
2019年6月24日
LIPミャンマーMJI貧困削減ファンド1
ミャンマーからこんにちは。
MJIの加藤です。
いつも応援とご支援をいただき、誠にありがとうございます。
今日は、フィールド調査日記をおやすみして、
ウーマンエンパワメントと題し、横道にそれたいと思います。
これは、フィールド調査日記3日目 午後のあと、実際にあった出来事です。
前回のあらすじはこちらから。
フィールド調査日記4
21:00
スタッフの実家に招いていただき食卓をみんなで囲んで幸せいっぱい。
さあ、シャワーを浴びて明日の準備をして寝よう、と部屋に入ってしばらく。
隣の部屋から何やら物音と声が聞こえてくる。
壁が薄いので仕方ないかと思っていたら、その音たちは徐々に大きくなり、
!?
けたたましい音に続き、怒声と悲鳴が同時に鳴り響いた。
あれ、もしかして、大変なことが起きている?
ドアが激しく開閉されたような音の後、少し静かになったのを見計らい、ドアから外を覗いてみる。
あたりは静か。危難は去ったようだ。
眼を凝らすと小柄な女性らしき人が暗闇の中に立っていた。
お化けじゃないね?透けてないね?
「あの、どうしたのかな?何があった?」
「ごめんなさい。分かってるんですけど。ごめんなさい…。」
顔を手で覆ったままそういって、パタパタと小さな足音を鳴らして走っていった。
うーん。このまま眠れそうにないし、放っておくのも気持ち悪いし。
追いかけてみると、茂みに座り込んですすり泣いていた。
隣に座って話しかけた。流暢な英語を話す女の子だった。
旦那さんと旅行で来た。
売り言葉に買い言葉、小競り合いになって、彼が逆上して手を挙げた。
さっきの音は、それだったのか。
見せてみて、というと、右の口元が赤黒く腫れていた。
冷たい水とタオルを持ってきた。
初めてこちらを見て目を合わせてくれた。
まん丸い目にいっぱい涙を浮かべて、わっと泣き出した。
旦那さんとは結婚4年目。
ヤンゴンに住んでいて、旦那さんの仕事は軍人さん。
よくあるの?と聞くと、昔は優しかった。最近はずっとこうだという。
辛かったね、というと、また泣いた。
しばらく泣いて、冷たい水を飲んだあと、世間話をした。
年齢を聞いたら、わたしと3歳違い。わあ、姉妹みたいだねーと初めて笑った。
笑った顔はとても可愛いのに、右の口元だけ引きつってしまって痛そうだった。
怖かったら、うちの部屋で寝る?と聞くと、
大丈夫、もう今日は旦那は帰ってこないと思う、いつもそうだからと。
喧嘩になって、手を挙げて、帰ってこない。それの繰り返しだと。
ハードな田舎出張用にとお土産にもらったものだけど、安眠用のラベンダーオイルをあげて、お別れをした。
喧嘩や諍いごとは、どちらか一方のせいでないことが多い。
男性の方が体も大きいし力も強いことが多いけれど、喧嘩の原因はどちらと言えない。
女性の方が強くて男性に手を挙げる例もある。
MJIの営業エリアは町でも村でも女性の地位が低い、と極端に感じることは少ない。
一部の職業や会社では女性の活躍が難しいと聞くが、女性の方が強い職種職場もある。
例えば、会計財務は女性の方が組織の中で強い傾向。内部監査の求人に応募してきた男性が「自分は男性だけれど会計と数字が好き。男性でも会計関連職で上を目指せますか」と質問されたことがあるくらい。
SDGsでは、
人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。このように書かれています。
MJIでは、女性の採用を積極的に行い、マネージャー職のうち53%が女性です。
Mango!でもEmpowerment For Womanというコーナーで啓発活動をしています。
ローンの対象も女性が中心です。
でも、こういう出来事に出会うということは、
宇宙からのメッセージで、
MJIが「為すべき何か」をミャンマーの神様が教えてくれているのかもしれない。
”自分たちの取り組みに、慢心してはいけませんよ”
”まだまだ、できることは残っていますよ”
”もっともっと、すべき事に耳を澄ましなさい”
その日は2:30ごろまで起きていたけれど、旦那さんが帰ってくる音は聞こえなかった。
次に気が付いた時には、すでに朝。
鳥と虫と行商人の声で目が覚めた。
隣の部屋は家具が荒れたまま、空になっていた。
ホテルの人いわく、朝一番のバスに合わせて出て行ったそう。
そういえば、今日ヤンゴンに帰るって言っていたな。
小さな肩。
まん丸くて可愛い目。
涙ぐんだ彼女の眼差しを通じて、自分たちの取り組みをみつめなおす雨季の夜の夢のようなできごとでした。
今回は、彼女に何もできなかったけれど、マイクロファイナンスを通じてできるウーマンエンパワメントがあるはず。
最後までお付き合いを頂きありがとうございました。
今日は、フィールド調査日記の番外編、ウーマンエンパワメントでした。
いつも応援とご支援いただき誠にありがとうございます。
ファンドの募集期間のこり1週間たらずと短い時間になってしまいましたが、
引続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。
MJI ENTERPRISE Co., Ltd.
加藤侑子&スタッフ一同
MJIの加藤です。
いつも応援とご支援をいただき、誠にありがとうございます。
今日は、フィールド調査日記をおやすみして、
ウーマンエンパワメントと題し、横道にそれたいと思います。
これは、フィールド調査日記3日目 午後のあと、実際にあった出来事です。
前回のあらすじはこちらから。
フィールド調査日記4
21:00
スタッフの実家に招いていただき食卓をみんなで囲んで幸せいっぱい。
さあ、シャワーを浴びて明日の準備をして寝よう、と部屋に入ってしばらく。
隣の部屋から何やら物音と声が聞こえてくる。
壁が薄いので仕方ないかと思っていたら、その音たちは徐々に大きくなり、
!?
けたたましい音に続き、怒声と悲鳴が同時に鳴り響いた。
あれ、もしかして、大変なことが起きている?
ドアが激しく開閉されたような音の後、少し静かになったのを見計らい、ドアから外を覗いてみる。
あたりは静か。危難は去ったようだ。
眼を凝らすと小柄な女性らしき人が暗闇の中に立っていた。
お化けじゃないね?透けてないね?
「あの、どうしたのかな?何があった?」
「ごめんなさい。分かってるんですけど。ごめんなさい…。」
顔を手で覆ったままそういって、パタパタと小さな足音を鳴らして走っていった。
うーん。このまま眠れそうにないし、放っておくのも気持ち悪いし。
追いかけてみると、茂みに座り込んですすり泣いていた。
隣に座って話しかけた。流暢な英語を話す女の子だった。
旦那さんと旅行で来た。
売り言葉に買い言葉、小競り合いになって、彼が逆上して手を挙げた。
さっきの音は、それだったのか。
見せてみて、というと、右の口元が赤黒く腫れていた。
冷たい水とタオルを持ってきた。
初めてこちらを見て目を合わせてくれた。
まん丸い目にいっぱい涙を浮かべて、わっと泣き出した。
旦那さんとは結婚4年目。
ヤンゴンに住んでいて、旦那さんの仕事は軍人さん。
よくあるの?と聞くと、昔は優しかった。最近はずっとこうだという。
辛かったね、というと、また泣いた。
しばらく泣いて、冷たい水を飲んだあと、世間話をした。
年齢を聞いたら、わたしと3歳違い。わあ、姉妹みたいだねーと初めて笑った。
笑った顔はとても可愛いのに、右の口元だけ引きつってしまって痛そうだった。
怖かったら、うちの部屋で寝る?と聞くと、
大丈夫、もう今日は旦那は帰ってこないと思う、いつもそうだからと。
喧嘩になって、手を挙げて、帰ってこない。それの繰り返しだと。
ハードな田舎出張用にとお土産にもらったものだけど、安眠用のラベンダーオイルをあげて、お別れをした。
喧嘩や諍いごとは、どちらか一方のせいでないことが多い。
男性の方が体も大きいし力も強いことが多いけれど、喧嘩の原因はどちらと言えない。
女性の方が強くて男性に手を挙げる例もある。
MJIの営業エリアは町でも村でも女性の地位が低い、と極端に感じることは少ない。
一部の職業や会社では女性の活躍が難しいと聞くが、女性の方が強い職種職場もある。
例えば、会計財務は女性の方が組織の中で強い傾向。内部監査の求人に応募してきた男性が「自分は男性だけれど会計と数字が好き。男性でも会計関連職で上を目指せますか」と質問されたことがあるくらい。
SDGsでは、
人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。このように書かれています。
MJIでは、女性の採用を積極的に行い、マネージャー職のうち53%が女性です。
Mango!でもEmpowerment For Womanというコーナーで啓発活動をしています。
ローンの対象も女性が中心です。
でも、こういう出来事に出会うということは、
宇宙からのメッセージで、
MJIが「為すべき何か」をミャンマーの神様が教えてくれているのかもしれない。
”自分たちの取り組みに、慢心してはいけませんよ”
”まだまだ、できることは残っていますよ”
”もっともっと、すべき事に耳を澄ましなさい”
その日は2:30ごろまで起きていたけれど、旦那さんが帰ってくる音は聞こえなかった。
次に気が付いた時には、すでに朝。
鳥と虫と行商人の声で目が覚めた。
隣の部屋は家具が荒れたまま、空になっていた。
ホテルの人いわく、朝一番のバスに合わせて出て行ったそう。
そういえば、今日ヤンゴンに帰るって言っていたな。
小さな肩。
まん丸くて可愛い目。
涙ぐんだ彼女の眼差しを通じて、自分たちの取り組みをみつめなおす雨季の夜の夢のようなできごとでした。
今回は、彼女に何もできなかったけれど、マイクロファイナンスを通じてできるウーマンエンパワメントがあるはず。
最後までお付き合いを頂きありがとうございました。
今日は、フィールド調査日記の番外編、ウーマンエンパワメントでした。
いつも応援とご支援いただき誠にありがとうございます。
ファンドの募集期間のこり1週間たらずと短い時間になってしまいましたが、
引続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。
MJI ENTERPRISE Co., Ltd.
加藤侑子&スタッフ一同