日本語教師とは(6)日本語学校が求める教師像

2021年9月29日
広島 三原と世界を結ぶ日本語学校ファンド

前回、テクニカルタームとしての「日本語教育歴」についてご紹介した際、海外での経験について触れました。
もちろん、海外で暮らした経験そのものは、留学生を理解し指導するうえでプラスに作用する貴重な経験です。
しかし、わたしは、海外の特に大学で教育経験がある人ほど、日本国内の日本語学校での日本語教育にむかないのではないか、と思っています。
理由は、簡単に言うと、マッチングの問題です。
国内の多くの日本語学校では、様々な国や地域から来日した学生たちを1クラスにまとめ、初級から教えはじめ、生活者として慣れさせながら、1年半から2年で大学や専門学校に進学させることになります。

私の個人的な経験では、海外の大学で教えた経験は、上記のどれにもあてはまりません。

まず、海外では教師自身がその国や地域の言語をある程度理解できれば、日本語を教えることは難しくありません。わたし自身、韓国語検定で4級(当時は中級の上)まで取りましたが、日常生活と教室内活動(専門の日本語学科だけではなく、教養科目としての日本語ということで体育学科でも教えていました)に不自由を感じたことはありません。

余談になりますが、韓国語で雑談するレベルにまでは到達できなかったので、日本人と日本語で雑談ができる外国人を見ると尊敬してしまいます。

ときおり、「日本語教師に英語は必要ですか?」と聞かれますが、むしろ英語力などないほうが良いと思っています。クラス内に英語を理解できない学生がいたら、その学生は疎外感をおぼえてしまいクラス崩壊につながりかねません。どんな時でも「やさしい日本語」で教えることができる技術を習得すべきだと思います。

第二に、おそらく大学には、日本人だけでなく、その国や地域出身の日本語教師がいるはずです。つまり、学生たちは、いつでも母語で質問できる環境にあるのです。

第三に、生活する場は学生自身が生まれ育った国や地域であることがほとんどですから、生活環境にストレスを感じる学生はほとんどいません。

第四に、教師は「大学」で教えているのですから、学生たちのいわゆる学力には問題がないことが前提になっています。

日本国内の多くの日本語学校では、日本の大学や専門学校で学びたい学生を対象にしていますが、学力については学生たちの自己申告を信じるしかないのです。(もちろん高校の成績証明書などで確認しますが、学制や卒業基準などは国によってさまざまでしょう。)

教員の採用面接を担当すると、これらのことを意識し、理解できている日本語教師がどれくらいいるのだろうか、と不安を感じることがよくあります。

わたしは幸いにも、「受験」が大好きで(変人に思われるかもしれませんが、スピーチコンテストなどの各種コンテスト、就職試験など、<勝負>ごとが好きなのです)、希望する学生たちを集めてはJLPT対策をボランティアで行っていましたので、そちらから日本語学校に入り、様子を見ながら上述したようなことを肌で感じ、クラス授業にいかすことができました。

長くなりましたが、日本語学校や日本語教師についてのイメージを、具体的にもっていただける手掛かりになれば幸いです。

ファンド情報

広島 三原と世界を結ぶ日本語学校ファンド
みらいコンサルティング株式会社
会計期間
2022年10月1日 ~ 2028年9月30日
一口
32,400
償還率
運用中
参加人数
33
調達実績
1,560,000
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