ケニアの食べ物
ケニアの食べ物というと、何を思い浮かべるでしょうか?日本ではあまり馴染みがなく、思い浮かばないという方もいらっしゃるかもしれません。ケニアは貿易の歴史から、インドやアラブの影響を受けた食べ物が多くあります。例えばインド由来の揚げパン、マンダジなどは人気の朝食メニューです。
左上のパンがマンダジ。お米と豆、炒め野菜の組合せは鉄板。モンバサでのとある日の朝食より。
ケニアの代表的ローカルフード:ウガリ
ケニアの代表的なローカルフード、それはウガリです。穀物の粉を湯で練り上げたアフリカ伝統の食品で、コーンミール(乾燥させたトウモロコシを挽いて粉にしたもの)やキャッサバ(アフリカ原産の芋の一種で、タピオカの原料にもなります)などの粉を湯で練って作り、国によって固さや弾力、名称が異なります。水分を含ませる度合いによって団子状から粥状のものまで様々なバリエーションがあり、国だけでなく料理する人によっても固さや色合い、しっとり感が変わります。味に癖がなく、おかずと一緒に食べるとお米のようで、ほぼ毎日飽きずに食べられます。見た目はただの白い固形の食べもののようですが、パンのようにパサパサしていたり、割れ目が入っていたり、たまに少し焦げていたりします。
左下のアイスのようなものがウガリ。
ウガリを食べる時はまず片手で一口大の切れ端をちぎり、手の中でこねて中にある水分をうまく全体に散らしていきます。全体がしっとりしてきたら食べごろで、豆や肉などおかずと合わせてほおばります。ちなみに、ウガリの食べ方を知らないと、パンのように一口大にちぎっておかずを乗せて食べてしまうそうです。
ウガリはトウモロコシ(メイズ)の粉から作りますが、2018年の時点でケニアにおける一人当たり1ヵ月のメイズ消費量は5~6kgだそうです。国内の総消費量は過去10年で3,850,000tから4,550,000tで推移しておりますが、自給率は約65.9%から約77.9%といったレンジ、食糧の輸入依存度が極めて高い日本でも米の自給率はほぼ100%であることを考えてみると、あまり高い水準とはいえないかもしれません(ちなみにケニアではメイズと小麦に次いで米は3番目の主要作物で、近年消費量・生産量共に増加傾向にあります)。実際、アフリカ大陸では穀物の多くを輸入に頼っています。主食の一つであるメイズも、食糧自給率はアフリカ全体で100%を割り込んでおり、食糧援助も行われています。このように穀物の輸入が多い背景の一つには、土地生産性の低さや、都市部での人口増加があるようです。
東アフリカにおけるエチオピア料理
エチオピア料理は、ケニアやウガンダで少し良い料理を食べようとするときによく使われる印象があります。ケニア北東部の難民キャンプにあった援助機関の宿泊コンパウンド内にもエチオピア料理レストランがあったし、筆者が以前招いて頂いた日本人会もエチオピア料理でした。
食事をしたエチオピア料理レストラン
エチオピア料理で食されるのは、インジェラという見た目は薄いクレープ生地のようで、甘さはまったくない菓子パンのようなしっとり感がある食べ物です。独特の酸っぱさがあるため好き嫌いがわかれますが、エチオピアに行けばどこでも食べられる代表的な料理です。大きいプレートいっぱいにインジェラを敷いてその上に野菜やお肉などおかずをのせて、土台のインジェラで包んで食べます。エチオピア国外で食べるインジェラの方が酸っぱさがマイルドで、アメリカではカリフォルニアロールがお寿司であるのと同じ様なものでしょうか。
インジェラ。野菜や豆、肉、卵など色々な具が乗っている。
以上、ケニアの食べ物についてご紹介させて頂きました。
日本人にとってはアフリカの食べ物というだけでとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、本ファンド組成のために現地調査を行ったLIPメンバーは、ケニアやウガンダ、ルワンダなどの東アフリカ諸国の料理はどこも美味しく癖がなくて日本人の舌に合う味付けで、口に合わなくて嫌いという日本人は少ないのではないかと話していました。また大型スーパーも多いので、ローカルフードだけでなくパンやチップス、バーガーなどの欧米系の料理も手軽に入手できますし、美味しいフルーツも勿論安価で食べられます。水はペットボトルのものを飲むなど自衛が必要ですが、それはアフリカ以外の国でも同じですね。
こうしたアフリカ料理を提供するレストランは日本にもあり、アフリカンフェスタなどでは様々な料理を食べることができます。是非ご賞味ください。
Naivas supermarket はケニアで最大級の大型スーパーマーケットチェーンで、2022年6月時点ケニア国内に84店舗を持つ。