ありがとう 豪邸
2012年6月6日
斉吉商店ファンド
豪邸が在って、本当に有難かった。
もう、すっかりみんなが 「豪邸」 と呼んでくださいます。
本当は、古い古い漁具倉庫にくっついているアパートなのです。
震災後ここに来た時は社長と二人で 毎日泥を出し、木の根っこが伸びて、いばらのようになったのを掘りました。天井にからまったツタを切りました。破れていたふすまを貼り、電気の線を延ばし、なんでも社長の手作りです。
でも今では心底、豪邸だと思っています。
豪邸は、まさしく豪邸らしい働きでした。
一日に40人も50人ものお客様をお迎えすることもあります。
御来賓っと呼ばれるような、これまでの私たちには到底お会いしたことも無いような素晴らしい方がおいでになり、ご飯を食べたり、お茶を飲んだり、お話をしたりしてくださいました。
斉吉のみんなも、何度もここで集まり、「がんばっぺし」と仕事の話をしました。
安波山も大島の亀山も室根山も見えます。
朝日も夕陽も見えます。
津波で何も無くなった と思ったのに、それは間違いで、こんなになんでもあるよと云う事がわかり、ありのままでいいと云うか、ありのまましかないことも豪邸が教えてくれました。
引退にあたっても、博物館に入れて、ずっとずっと、とっておきたい 「もう殿堂入り」だよって思うほどですが、それは許されず、「無くても在る」を教えてくれた豪邸は、6月にお別れすることになりました。何度もありがとうございましたと声をかけたい自慢の豪邸です。
(以上は斉吉商店ホームページより引用しております。)