影山の木曜カフェタイム
2026年6月16日 18:30

こんにちは。影山知明です。
木曜カフェタイム、18回目の投稿となります。
三連休のおともに。
(ちなみに自分、カフェの経営もしておりますもので、休みの日こそ忙しく…、あれ、自分の休日がない?)
さて。
前回の投稿で、セキュリテとして「うまくいった場合のリターンの魅力を高めることも大事」という話題に触れました(→第17回)。
そういう意味でも、あるいは、事業が計画通りに進捗せず、ピンチの状況にある事業者さんを助けるというような意味でも、セキュリテの「事業支援機能」が問われてくるなと感じています。
ただ、それはそうそう簡単なことではないなとも思います。
自分自身10年くらい前まで、ベンチャーキャピタリストとして、創業~成長期にある投資先企業への経営支援を生業としていました。
特に当時は「ハンズオン」という言葉が盛んに使われ、自分たちはお金を出すだけじゃないんだ。その先の経営を、事業の成長を支援できるところにこそ自分たちのユニークさがあり、だからこそ高いトラックレコード(投資利回りの履歴)を実現できるんだと、業界内で競い合うような空気さえありました。
自分のいたベンチャーキャピタルもそうで、だからこそメンバー1人につき担当する投資先を同時期には5社以内に限り(週に1回は投資先に行けるよう)、原則として取締役メンバーにもなり、専門家ネットワークもつくり、全面的に経営をサポートする体制を組んでいました。
しかし、です。上記のような体制を用意し、関与をしていたとしても、外部から事業の支援をするというのは簡単ではないなと、日々感じることになったのです。
対象がまだ小さな企業であるほど、そうだと思います。
「こうしたらいい」とアイデアを出すことは比較的簡単なのです。でもそれを実行するだけの体制や組織能力がないことが多い。
あるいは事業においては「何をやるか」と同じか、場合によったらそれ以上に「どうやるか」が大事だと思うのですけれど、そこまでオペレーションの細部には関与し切れない。
あるいは、特に小さな企業、小さな組織においては、人にまつわる課題を抱えていることが多いのですけど、外からそうした問題に口出しすることは難しい。
経営の戦略・計画を一緒に立てる。週に一回、経営会議に出席して仮説・検証をする。必要に応じて、アライアンス先や人材の紹介をする。──それくらいのところまでは外部から支援できたとしても、事業の成否を分けるのはそこから先ということが多分にあるのです。
だからこそ企業の<自力>が大事だということではあるのですけど、かといって自力だけですべてがうまくいくわけでもありません。どうしたらうまく<他力>と結びつくことができるのか…。
そういう葛藤に向き合ってくる中で、自分なりにたどり着いた一つの答えは「生態系(エコシステム)をつくる」ということでした。
うまくいっているときだけでなく、うまくいっていないときでも、利害関係を超えて、悩みを共有したり、助け合ったりできるような関係性を周囲と構築すること。
よくWin-Winと言ったりしますが、利害関係は逆風に弱いものです。そもそもWin-Winとは、お互いにメリットがあるから付き合うということなわけで、逆に言えば、メリットがなければ付き合わないということでもあります。
そうしたものではなく、短期的な損得を超えた、助け合いの関係性。
実際、数々のピンチを乗り越えていく企業や、うまく成長を遂げていく企業のまわりには、意識してかしないでかは別として、そうした生態系(エコシステム)があることが多いと思います。
先述のようなベンチャーキャピタリストとしての経営支援が<点>にとどまりがちであるのに比較して、生態系による支え合いは<線>であり<面>になります。文脈を共有しながら、必要なタイミングで、必要な機能・資源を互いに提供し合う。
そしてさらに、こうした生態系への参加者が多様で、それぞれがそれぞれに卓越した何かを有するメンバーたちであるとき、そして互いの信頼関係が十分に醸成されているとき、その関係性が生み出すものはいっそう豊かになるだろう思います。
セキュリテの目指す「事業支援機能」とは、そうしたものではないかと思うのです。
〜2022.9.22 配信「木曜カフェタイム」〜
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※ この記事は、2022年当時にメルマガで配信されたエッセイのアーカイブ公開です。文章内の出来事や、影山知明氏の役職(当時:副社長COO)をはじめとする各種情報は、すべて当時の状態のまま掲載しております。あらかじめご了承ください。
※ 影山知明氏の最新の活動は「ぶんじキャピタルマーケット」をご覧ください
vol18.【生態系という名の事業支援機能①】| 2022.9.22 配信「木曜カフェタイム」

こんにちは。影山知明です。
木曜カフェタイム、18回目の投稿となります。
三連休のおともに。
(ちなみに自分、カフェの経営もしておりますもので、休みの日こそ忙しく…、あれ、自分の休日がない?)
さて。
前回の投稿で、セキュリテとして「うまくいった場合のリターンの魅力を高めることも大事」という話題に触れました(→第17回)。
そういう意味でも、あるいは、事業が計画通りに進捗せず、ピンチの状況にある事業者さんを助けるというような意味でも、セキュリテの「事業支援機能」が問われてくるなと感じています。
ただ、それはそうそう簡単なことではないなとも思います。
自分自身10年くらい前まで、ベンチャーキャピタリストとして、創業~成長期にある投資先企業への経営支援を生業としていました。
特に当時は「ハンズオン」という言葉が盛んに使われ、自分たちはお金を出すだけじゃないんだ。その先の経営を、事業の成長を支援できるところにこそ自分たちのユニークさがあり、だからこそ高いトラックレコード(投資利回りの履歴)を実現できるんだと、業界内で競い合うような空気さえありました。
自分のいたベンチャーキャピタルもそうで、だからこそメンバー1人につき担当する投資先を同時期には5社以内に限り(週に1回は投資先に行けるよう)、原則として取締役メンバーにもなり、専門家ネットワークもつくり、全面的に経営をサポートする体制を組んでいました。
しかし、です。上記のような体制を用意し、関与をしていたとしても、外部から事業の支援をするというのは簡単ではないなと、日々感じることになったのです。
対象がまだ小さな企業であるほど、そうだと思います。
「こうしたらいい」とアイデアを出すことは比較的簡単なのです。でもそれを実行するだけの体制や組織能力がないことが多い。
あるいは事業においては「何をやるか」と同じか、場合によったらそれ以上に「どうやるか」が大事だと思うのですけれど、そこまでオペレーションの細部には関与し切れない。
あるいは、特に小さな企業、小さな組織においては、人にまつわる課題を抱えていることが多いのですけど、外からそうした問題に口出しすることは難しい。
経営の戦略・計画を一緒に立てる。週に一回、経営会議に出席して仮説・検証をする。必要に応じて、アライアンス先や人材の紹介をする。──それくらいのところまでは外部から支援できたとしても、事業の成否を分けるのはそこから先ということが多分にあるのです。
だからこそ企業の<自力>が大事だということではあるのですけど、かといって自力だけですべてがうまくいくわけでもありません。どうしたらうまく<他力>と結びつくことができるのか…。
そういう葛藤に向き合ってくる中で、自分なりにたどり着いた一つの答えは「生態系(エコシステム)をつくる」ということでした。
うまくいっているときだけでなく、うまくいっていないときでも、利害関係を超えて、悩みを共有したり、助け合ったりできるような関係性を周囲と構築すること。
よくWin-Winと言ったりしますが、利害関係は逆風に弱いものです。そもそもWin-Winとは、お互いにメリットがあるから付き合うということなわけで、逆に言えば、メリットがなければ付き合わないということでもあります。
そうしたものではなく、短期的な損得を超えた、助け合いの関係性。
実際、数々のピンチを乗り越えていく企業や、うまく成長を遂げていく企業のまわりには、意識してかしないでかは別として、そうした生態系(エコシステム)があることが多いと思います。
先述のようなベンチャーキャピタリストとしての経営支援が<点>にとどまりがちであるのに比較して、生態系による支え合いは<線>であり<面>になります。文脈を共有しながら、必要なタイミングで、必要な機能・資源を互いに提供し合う。
そしてさらに、こうした生態系への参加者が多様で、それぞれがそれぞれに卓越した何かを有するメンバーたちであるとき、そして互いの信頼関係が十分に醸成されているとき、その関係性が生み出すものはいっそう豊かになるだろう思います。
セキュリテの目指す「事業支援機能」とは、そうしたものではないかと思うのです。
〜2022.9.22 配信「木曜カフェタイム」〜
【Special Archive Collection】「木曜カフェタイム」記事の一覧はこちらからご覧いただけます。
※ この記事は、2022年当時にメルマガで配信されたエッセイのアーカイブ公開です。文章内の出来事や、影山知明氏の役職(当時:副社長COO)をはじめとする各種情報は、すべて当時の状態のまま掲載しております。あらかじめご了承ください。
※ 影山知明氏の最新の活動は「ぶんじキャピタルマーケット」をご覧ください
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