影山の木曜カフェタイム 2026年6月13日 21:00

vol15.【別々のものがとけ合って一体になり、通じ合う】| 2022.9.1 配信「木曜カフェタイム」

こんにちは。影山知明です。
木曜カフェタイム、15回目の投稿となります。

「金融」とは「お金」を「融通」すること。
「融通」は、今は、「必要なものを都合する。やり繰りする」というニュアンスで使われることが多いと思うのですけど、元は仏教用語なんだそうですね。
「別々のものがとけ合って一体になり、通じ合う」という意味があるそうです。

2011年4月25日(for 復興)に募集を開始した「セキュリテ被災地応援ファンド」は、まさにそうした金融の形を、部分的にせよ実現できた取り組みだったと思っています。
東日本大震災を受けて、被災地の力になりたいという思いが日本に渦巻きました。
総額何百億円という単位の義援金(寄付)も集まりましたが、ただそれは、被災地に届くまでに時間がかかる、どんな用途で活用されるのかが見えにくいといった点が課題として指摘されました。
それは大きな組織が大きな金額を扱う際に求められる、手続きの公正さや分配における公平さといった意味で、やむを得ないことだったのでしょう。
そうした中、セキュリテ被災地応援ファンドは、自分の応援したい地域の応援したい事業に、直接、すぐに、お金を届けることができるという点で、大きな反響をいただきました。
その後もコンスタントにファンド組成を行い、10年間で3万人近い方々からのご出資をいただき、11億円にもなるお金を東北地方の被災地域にお届けすることができました。
「半分出資+半分寄付」という形式ではなくなったものの、ファンドを通じて被災地の事業者さんを応援する取り組みは、今も続けています。

※Webサイトへ遷移します

▲セキュリテ被災地応援ファンド10年を記して制作した特集サイト


そして、ファンドを組成して、お金が届けられて終わりではありません。
そこから、長いものでは10年、事業者さんと出資者さんの交流が始まっていくのです。
元より、資産運用というニュアンスではなく、応援の気持ちから動いたお金。
お金だけでなはない「応援」が、さまざまな形となって事業者さんに届けられることになります。
商品を購入する、イベント出店のスタッフとして協力する、人材を紹介する、事業者さんの相談に乗る、現地を訪ねる……。
中には、ファンド出資をきっかけとして、転職につながるようなケースも生まれました。
また、8月10日は「はっとの日」として一般社団法人・日本記念日協会に登録されているのですけど、それを実現させたのは気仙沼・一関の製麺会社「丸光製麺(https://marumitsu-seimen.com/)」を応援する、ファンド出資者有志の方々からの尽力によるものでした。
そしてそうした「応援」は直接・間接に事業者さんの力になり、苦しいときの支えの一つになっていっただろうと思います。
また一方、苦境にあってもあきらめず、踏ん張り、がんばる被災地の事業者さんの姿に、むしろ出資した方の人たちこそ、大きく励まされるようなことだってたくさんあったはずです。


「別々のものがとけ合って一体になり、通じ合う」
被災地応援ファンドは、まさにそうした瞬間の宝庫だったのです。
もちろん、被災からの復興は簡単なことではありません。
セキュリテ調べでも、ファンド組成をしてくださった事業者さんの過半数が、残念ながら事業計画の達成に届いていないというデータもあります。

 

▲セキュリテ被災地ファンドの償還状況(2021年3月時点)

出資者の方々からの「応援」があったとしても、それですべてが解決されるわけではないのです。
また10年以上の時間が経過して、その「応援」がトーンダウンしてしまうことは、やはり避けられないことでもあります。
ですが、「だから意味がない」ということにはならないはずだと思うのです。
少なくともそのとき、思いを通わせるやり取りがあったこと。
そのとき、誰かが誰かの力になったこと。
そのことはそのことにおいて、十分に価値あることなのではないかと思うのです。
記憶は残ります。
学んだことは残ります。
そこで生まれた縁が、形を変えて続くことだってあるでしょう。
「金融」が、お金のやり取りだけでなく、思いのやり取りまで含んだ、大事な人間の営みの一つなんだということ。
セキュリテの原点。セキュリテで実現したいこと。
それをぼくに教えてくれたのが、何より被災地応援ファンドだったと思うのです。

〜2022.9.1 配信「木曜カフェタイム」〜 
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※ この記事は、2022年当時にメルマガで配信されたエッセイのアーカイブ公開です。文章内の出来事や、影山知明氏の役職(当時:副社長COO)をはじめとする各種情報は、すべて当時の状態のまま掲載しております。あらかじめご了承ください。

※ 影山知明氏の最新の活動は「ぶんじキャピタルマーケット」をご覧ください
 
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